鎌倉彫道友会のシンボルリーフ:四葉のクローバーです。鎌倉彫道友会  道具道楽   右小刀近影(1)  右小刀近影(2)

                            
『彫刻刀の部屋』 

          ※サイトマップはこちらから   ※スマートフォン(横型)での閲覧はこちらから → 鎌倉彫道友会     


 『彫刻刀の部屋』へ、ようこそ!!

 ここでは、鎌倉彫で使う
 彫刻刀の種類・使い方・研ぎ方・お手入れ方法
 などについて、
 実体験に即してご紹介して行きたいと思います。
 (※彫刻刀のほかにも、
   『鑿』『切り出し』『塗師刀』『鉋』『鋸』等々、
   刃物全般に触れて行くつもりです。)


 取り上げる彫刻刀・鑿・刃物類は、
 その形状や鋼の種類、特徴、用途、養生方法
 
などについて、分かる範囲でそのつどご案内する予定です。

 各種刃物を扱われるご専門の職人さんがご覧になる場合、
 それぞれの流儀や扱い方の違いによって、
 首をひねりたくなるような記述もあるかもしれませんが、
 「まぁ、こんなやり方もあるのかなぁ〜」
 くらいに軽く読んで頂いて、ご海容くださるとありがたいです。
 
 刃物類の集合写真です。
※ご案内する刃物の一部です。教室で用いる“彫刻刀”以外の、色々な刃物を並べて
みました。小道具・彫刻鑿は、ほとんど“左小信製”ですが、一部他産地の物も
混じって
います。こうして見ると、“刃物オタク全開”という感じですが、それぞれに用途があります。

 もし、明らかな誤記などがありましたら、ご面倒ですが、メール・FAX・電話等でご教示ください。
 彫刻刀や鑿について、鍛冶屋さんのような専門知識があるわけではないので、
 自分なりに勉強し直すつもりで、少しずつ書き進めて行きたいと思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。


   その1 彫刻刀の『柄付け』と『研ぎ』

 第一回目は、
 “左小信”製の『二分(幅6ミリ)右小刀・青紙スーパー鋼(※)』の黒刃
(くろは)(☆)
 着脱式のヒノキ柄
を付けて裏出しを行い、砥石で研磨して刃を付けるところまでの過程を、
 
画像を追いながらご紹介したいと思います。

  (※)『青紙スーパー鋼』
・・・他の青紙鋼と比べて、
   炭素(:硬度を高める)クローム(:耐摩耗性・防錆性・焼き入れ性を向上)
   タングステン(:熱処理効果・耐摩耗性を向上)の含有率が高く、
   微量化学成分としてバナジウム(:粘りと強度を向上)が添加されています。
   その結果、優れた硬度・耐摩耗性・靱性を発揮しますが、
   その反面、研削性(≒研ぎ易さ)は低下し、“やや研ぎにくい刃金”であると言えます。
   また、一般に、“錆びやすい鋼材”というイメージもあるようです。


  (☆)黒刃(くろは)
・・・ここでは、“研ぎ”も“柄”も付いていない“彫刻刀の素(す)の刀身のこと。
               刃表側全体の“黒い色合い”に由来する呼称と思われます。


 ◆それでは、まずは“彫刻刀の柄付け”の工程を、画像とともにご案内します。

 黒刃の刃表です。

 黒刃の刃裏です。

               左小信、刻印

二分右小刀の黒刃(くろは)
  刃表(はおもて)
の画像です。


.同じく刃裏(はうら)の画像です。




.“左小信”さんの刻印です。
 ハナ先から7.5センチ付近の
 刻印の直前まで、
 研ぎ減らして使えます。



 
  ヒノキの柄材

 仕切り線描き
ヒノキの柄材の画像です。
 左の厚い方が刃表側で、
 右の薄い方が刃裏側です。
 小信さんから購入しました。






5.刃表側の柄材
 仕込みのための仕切り線を
 描き付けたところです。



  

  


                    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  ミゾ彫り1
 
  ミゾ彫り2

.仕切り線に沿って、一分の丸刀と浅丸刀
 ミゾを彫って行きます。
 ハナの側を丸刀、アゴの側を浅丸刀で
 彫ります。
 「ハナ・アゴ」については、当HPの“鎌倉彫ノート”内の
  “職人的用語集”をご覧ください。




.中間部を1分〜1分5厘平刀で彫ります。
 同じことを繰り返して、
 だんだん深くして行きます。






 ミゾ彫り3 

 ミゾ彫り4


.良い深さになったら、黒刃の尻(刃表側)
 でミゾをしごいて、形を馴染ませます。
 ヒノキは柔らかいので、整形するのがラク
 です。
 ヒノキで柄を付けると、
 刀身にサビが生じにくいとも言われます。





.まだ少しミゾが浅い段階で、
 黒刃の刀身をミゾに仕込んで、
 刃裏側の柄材を合わせ、
 クランプで加圧します。




 


                    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ミゾ彫り5 

ミゾ彫り6
10.刃裏側の柄材に淡い“凹み跡”がつきます。
 その跡をたどって、右小刀で真っ直ぐに、
 ミゾを深く彫り込んで行きます。







11.良い深さになったら、黒刃の刃裏側
 ミゾをしごいて、整形します。
 刃裏は、裏透きがしてあるので、
 そのわずかな凹みの雌型を造るような気持ちで
 慎重に作業を進めます。
 ミゾが深すぎると、刀身を入れた時、
 スコスコになってしまい、具合が悪いです。
 仕込みトライアル1

 仕込みトライアル2

 仕込み穴
12.柄に刀身を納めたところです。
 まずまずの仕上がりです。
 柄を輪ゴムで強く縛って刀身を引っぱった時、
 簡単には抜けないくらいピッチリ仕込むのが
 理想です。


13.こちらは刃裏側の画像です。
 ほとんど隙間なく仕上がりました。
 ちょっと隙間ができて、しかたなく、
 水でふやかして整形しなおすこともあります。
 今回はラッキーでした。


14.刀身を抜くとこんな感じです。
 ハナの側が厚く、アゴの側がやや薄いのが
 良く分かります。
 裏透きの凹みにも良くフィットしそうです。

 

                    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 

 彫刻刀の『刃の切っ先〜柄尻までの全長』は、
  『いっぱいに広げた親指〜薬指までの長さ(:私の場合約21センチ)』に調整すると、バランスが良いと言われます。

  ところで、二分小刀の切っ先の刀身の切り出しは、私の場合『1寸(約3cm)くらい』が調子が良いので、
  引き算すると、私にとってバランスの良い柄の長さは、『21−3=18センチ』くらい、ということになります。

  しかし、刀身は長年使いこむと研ぎ減って、だんだん短くなります。
  通常はそのつど、柄を“鉛筆を削り出すように”切り出して使うのですが、
  『画像3』で確認したように、
  二分小刀の専門家用の刀身は、経年使用で7.5センチくらい研ぎ減らすことになるので、
  私の場合、21センチだった全長は、最後には13.5cmになるわけです。

  その時点で、刀身の切り出しの長さを3cm確保しようとすると、
  柄の長さは10.5cm・・・これはちょっと短か過ぎる感じがします。
  個人差がありますが、
最後の柄の長さは最低でも四寸(約12cm)は欲しいです。
   となりますと――、
  あと1.5〜2cmを加えて、最初の全長を『22.5〜23c
m』に調整するのが、私の場合の“ベスト”で、
   その都合から、最初の柄の長さは『19.5〜20cm』くらいは必要だということになります。
  (しかし、使いはじめの柄の長さとして、“20センチ”はちょっと長すぎます。。。)

 ◆以上のような不都合は、柄が鉛筆みたいな『切り出し式』であるために生じるもので、
  シャープペンみたいな『押し出し式』に変えれば、解決できるはずです。
  刀身がシャープペンの芯みたいに着脱できて、
  切り出し部分の長さ調節も自由自在だったら、
  彫刻刀の全長を常時一定に保てて使いやすそうですし、
  一度造った『柄』は、刀身を入れ替えて、一生涯使えることになりそうです。

 ◆このような柄造りについては、訓練校にいた頃に、星野光雄先生からそのあらましを伺ったことがありましたが、
  詳しい造り方については、不覚にもご指導を受けそびれ、そのままになってしまっていました。。。

  ところが、先日、左小信の齊藤和芳さんとお話ししていて、この話題に触れたところ、
  左小信さんの『こみ通し繰り小刀』(:専門刀)の造りが参考になりそうだと教えて下さり、
  これをヒントに、『押し出し式の柄』を自作してみようと思いたった次第です。

 ◆したがって、ここから先の柄造りは、まだ『トライアルの段階』ですので、
  “実用上の不具合”が今後生じるかどうかを、自分なりに確かめて行きたいと考えています。
  ご覧になる皆様も、この点をご理解の上、あくまでも“参考”としてご覧下さいますよう、お願いいたします。。。

               −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

貫通した仕込み穴、柄材と黒刃


          ヒノキ材


            ストッパー造り1
15“押し出し式”なので
 ミゾは貫通しています。
 まん中あたりの
 「青線」のところまで
 刀身を仕込むと
 切っ先が3cm出ます。

16刀身のストッパー
 DIYで買ったヒノキ材で
 造ります。



17.ミゾにぴったりはまる
 ように、彫刻刀や紙ヤスリ
 で形を調整します。




   ストッパー造り2

   目釘穴 目釘

     目釘とストッパーの構造 
   




18. ピタッと嵌(はま)りました。
 中央の赤い線の真ん中に
 穴を開けて・・・



19目釘を刺せるように
 貫通させます。
 ズレると、やり直しが効かない
 ので、慎重に行います。



20.柄材を貼り合わせて、
 ストッパーに目釘を刺せば、
 刀身が固定されて、
 柄尻の方向にずれなくなります。
 刀身が研ぎ減って来たら、
 適量の木屑・木片を柄尻から
 ミゾに仕込んで押し出します。

 いわゆる“ところてん式”です。



                   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 柄を削る

 柄尻を切る

 ストッパーを切る

 目釘を切る


21.ゴムバンドで柄材を固定して、
 柄材を好みの形状に削ります。







22.余分な柄尻を、細工鋸でカットします。
 カットした柄尻は後で使うので、
 捨てずに保管しておきます。






23ストッパーは、後でツマミを付けるので、
 少し長めにカットします。







24.竹ひごの目釘も、丁度のところで
 カットします。






 タコ糸用の凹みを彫る1 

   タコ糸用の凹みを彫る2

 タコ糸用の凹みを彫る3

 細工完成

25
タコ糸を巻くための凹みを、
 小刀と平刀で彫ります。






26.できました。
 後でここにタコ糸を巻き付けます。






27.タコ糸の“結びしろ”として
 タコ糸2本分の太さの“縦ミゾ”と
 中央の“結び目受け”を彫ります。







28.都合三か所に彫り終わりました。
 完成です。





                   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 漆塗り



 仮留め



     タコ糸巻き1

     タコ糸巻き2

      タコ糸巻き3

29
.刀身の刃裏と、柄材のミゾ以外の
 部分に黄春慶漆を拭き込みました。
 サビや水汚れに強くなります。
 見た目も美しいですが、人により
 手元が滑る感じがするかも・・・です。
※刀身を仕込むミゾに、刃物用椿油などを浸
 み込ませると、刀身が錆びにくくなります。

        (↑左小信さんに教わりました。)



30刀身と、仮り留めした柄材です。
 今回は、2枚の柄材を接着剤で
 貼り合わせません。
理由は――、
 ・押し出し用の木屑・木片が
  ミゾの中で詰まったら困る。
 ・将来、刀身を買い替えた時、
  前と同じ厚みとは限らない。
 ――からです。
 分解可能な造りにします。


31.タコ糸を巻き付けます。
 27で彫った“縦ミゾ”の上にタコ糸を
 逆U字型にセットし・・・





32.セットした2本の糸を、縦ミゾに
 はめ込むように
、程よい強さで
 巻き上げて行きます。






33.半分くらい巻き上げました。






       タコ糸巻き4

       タコ糸巻き5

         タコ糸巻き6

         タコ糸巻き7

 タコ糸巻き完成



34.最後まで巻き上げたら、
 逆U字の輪の中に糸を通し、







35.U字の下端のタコ糸を
 下方に引っ張って








36糸の掛かり目を
 巻き付けた糸の内側に引きこんで、

 27で彫っておいた“結び目受け
 に落ち着かせます。







37余った糸を彫刻刀でカットして、
 出来上がり。
 結び玉の無い“糸巻き仕上げ”です。







38.同じことを残りの2か所でも行って、
 完成です。

 ※“タコ糸”以外に、
  三味線糸、釣り糸用テグスなども使えます。





                    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

長さ確認


   ストッパーのツマミ

   ストッパーのツマミ2

    ストッパーのツマミ3


39.刀身を仕込んで、
 長さを確認しているところ。
 ちょうど良さそうです。





4022でカットした柄尻
 適当な長さに切って、
 ストッパーのツマミとして
 はめ込んだところ。




41.ストッパーを
 ミゾに差し込むと、
 こんな感じです。






42.コクソとサビで
 ツマミに下地を付けました。
 漆で仕上げるつもりです。




  大村砥で研ぐ

  大村砥で研ぐ2

          大村砥のラベル 
         刃表の荒研ぎ完成 

      刃表の荒研ぎ完成2 


43大村砥(#500くらい?)で、
 黒刃の刃表を下ろしています。
 柄は付けないで、
 黒刃だけを持って研いでます。





44.ワイパーみたいに左右に
 往復しながら研いでいます。
 本来は左手も添えるのですが、
 講師はいつの間にか、
 “片手研ぎ”に落ち着きました。
 鼻歌まじりの気楽な作業です。



45.大村砥のラベルです。
 往年と違い紀州和歌山の産です。
 左小信さんの工房に見学に行って
 この砥石を使い始めました。
 『目透き砥』とも言うそうです。





46刃表の大体の形ができました。





47.このあと“裏出し”をするので、
 刃先はまだ付けていません。
 0.2ミリ厚くらいの研ぎ残しが
 刃先にあります。

 


                    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  裏出し1  

       裏出し2

   裏押し1

       裏押し2



48金床舟形玄翁黒刃です。 
 黒刃を金床の上にピタリと置き、
 玄翁の尖ったところで
 地金の部分を叩きます。





49地金を叩いた跡です。
 “刃先を曲げる”のではなく、
 “刃金を延べる”つもりで行います。
 地金の凹んだ分だけ、
 刃金を刃裏方向に伸ばす感じ
 です。


50.刃の黒幕(#2000)での裏押し
 押している左中指の爪の先が
 白っぽく
なってます。
 このくらいの力加減が必要です。




51.無事に裏が出ました。
 しかし・・・
 養生の漆がガビガビになりました。
 どうも、塗膜が厚すぎたようです。
 これは塗り直さねばなりますまい…



 

刃表の中研ぎ1

刃表の中研ぎ2

   後光

   刃裏の中研ぎ完了 
52刃表の中研ぎも黒幕#2000で行いました。

 今度の研ぎ方は
 両手を使って、前後の縦方向に研ぐ後藤式
 訓練校で最初に教わった研ぎ方です。

 大村砥でのワイパーみたいな研ぎ方は、
 三橋系の職人さんに多く見られる手法で、
 京都の仏師さんもワイパー研ぎの人が
 多いと聞いたことがあります。

 それぞれ長所のある研ぎ方で、
 どちらも出来るようになっておくことが
 大切
だろうと思っています。

 後藤式の研ぎは、薙刀型の“アール刃”を
 好みの形状に微調整したい時に有効です。


53“砥面(とづら)“切り刃”がきちんと
 合うと、“放射状の研ぎ跡”が現れます。
 訓練生は、左画像のような研ぎ跡を、
 『後光が射す』とか、『旭日章』とか、
 『朝日新聞のマーク』とか呼んで、
 おおいに尊重していました。
 “円錐台”の側面みたいな面を、
 平らな砥石で研ぎ上げれば、
 理屈上、この様な研ぎ跡が出るはずですが、
 初心者には思うように出せないものです。。。

54.軽く“返り”を取った刃裏です。
 よく切れそうです。


※“研ぎ方”の詳しい解説は、
  “第3回目”以降でご案内する予定です。


                   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

大平の白巣板


        後光2


           後光3


            右小刀の研ぎ上がった画像です。


 試し切り1 試し切り2 試し切り3

 

55

 仕上げ研ぎ
に使う『大平の白巣板』
 です。 青紙スーパーは金属組織
 が固く、砥石も硬いとケンカになってし
 まい、本来の良い刃が付きません。
 やや軟質な大平内曇り(刃引き)、高島
 敷巣板
純三河白名倉などが相性
 が良いです。


56.白巣板で研ぎだした『後光』です。
 後光は綺麗ですが、肝心の
 刃先の刃付けがまだ不十分です。






57.試しに“ハナ先”だけ、
 やや厚刃に角度調整してみました。









58.研ぎ上がりです。
 いい感じです。

 光の角度を変えて写すと、
 『刃は白く地は黒い』画像になります
 が、“後光”が奇麗に写りません。。。
 少し写りが青っぽいですが、
 そのまま載せます。

さて、研ぎ上がると次は、
試し切りがしたくなります。




59“おまけ@”ということで
 試し切りの画像を貼付します。

 一番手軽な試し切りの方法は、
 指・腕・頭に生えている“体毛”
 切ってみることです。
 この際、刃先がキューティクルに
 引っ掛かるように、毛根から毛先の
 方向に“当てるように”運刀します。

左:切った体毛が、刃裏の上で直立。
 (汗ばむ季節に時々起こります。)
中央:切った体毛が刃先に乗った画像。
 (こういう刃は、永切れします。)
右:毛髪を“笹がき”に4分割した画像。
 (昔の根付師の試し切りの方法です。)
 押し出し式の柄付けの完成1  押し出し式の柄付けの完成2




   漆の透け方







      薄刃、厚刃

60
押し出し式の柄付け
の完成画像です。

左:刃表側
右:刃裏側

タコ糸は、
薄めたカシューを
塗って、
軽く固めました。

いざという時は、
切ってほどけば、
柄材を分解できる
と思います。

柄頭と柄尻は、
金粉を使って、梨地
ぽく仕上げました。

手放せない右小刀に
なる予感がします…



おまけA
上:3年経過した
 黄春慶(明るい黄色)
 朱合漆(薄い紅茶色)。
下:昨日塗り立ての
 黄春慶(濃褐色)
3ヵ月くらいで、黄春慶の
濃褐色は透明化して、
明るい黄色に近づきます。




おまけB
左:薄刃(うすっぱ)
右:厚刃(あつっぱ)

どちらも2分小刀
ですが、異なる形状
のものを2〜3種類
用意しておくと、
何かと便利です。 



                  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


◆以上で、『彫刻刀の“柄付け”と“研ぎ”』を終わりたいと思いますが、
 ここにご紹介した内容は、もちろん、まだまだ万全のものではありません。
 講師自身も、今後ますます工夫して、より良い“道具付き合い”を模索して行きたいと考えています。
 ご閲覧くださった皆さんも、あくまでも発展途上の工夫・模索の一例として、ご参考になさってください。

 道具類の勉強やメンテは、概して面倒なもので、
 作品制作の時間をさいて真面目に取り組むとなると、それなりの決意が必要です。
 しかし、思い切ってやってしまえば、
 その絶大な効果(:道具本来の性能発揮・気持ち良い使い心地など)が持続する場合が多く、
 いわゆる“骨折り損のくたびれ儲け”に終わることはない――と確信しています。

  また、彫刻刀をはじめとする刃物類は、彫り手の“身体の延長”ですので、
 これを使いやすく、良く切れる状態に保つことは、
 彫り手の心持ちをポジティブに保つことに直結する――とも実感しています。

 これからも、そのような観点から、少しずつこのページを書き足して行きたいと思っておりますので、
 多少とも興味が湧かれましたら、また時々のぞいていてやって下さいませ。
 どうぞよろしくお願い致します。m(_ _)m  (2012.5.21記


  次回は『彫刻刀の種類と使い方』についてご案内する予定です。

  追記:試し切りの“笹がき4分割の画像“について、
      “毛髪の太さ”や“笹がきの長さ”を知りたい方のために、
      下に“定規付きの画像”を追加します。
     毛髪笹がき、3分割、その1(×約3倍→)毛髪笹がき、3分割、その2
     今回は“3分割”です。
     私の場合、“3分割”までは大丈夫ですが、
     “4分割”は出来る時と出来ない時があります。
     また、私の毛質は“獣毛のように硬く太いタイプ”ではなく(笑)、ごく一般的だと思います。
     太さについては、画像でご判断くださいませ。

     ちなみに、切り刃の角度を20度弱〜20度強に調節してきちんと刃を付ければ、
     鋼種や砥石にほとんど関係なく、
     ――白1・青1・青2・ハイスを「キングS-45」・「シャプトン#5000」で研いでも――、
     毛髪を笹がきにすることは可能です。
                                                  (2012.5.26追記)
                                           鎌倉彫道友会の看板猫:タマのカメラ目線の画像です。
                           このページの先頭へ     


  鎌倉彫道友会のシンボルリーフ:四葉のクローバーTOPへ   *鎌倉彫教室のご案内&講師紹介  *作品展示室  *鎌倉彫ノート( 歴史 ・ 技法 )

             *道具道楽  *笑遊放談録(:はみだし座談ブログ)  *リンクの輪  *鎌倉彫教室 Q&A


                  ★仏像彫刻・金継ぎ・漆塗りの教室・講座のご案内